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debsy shinobi

妻としての自覚が足りなくてすみま

妻としての自覚が足りなくてすみませんと苦笑した。桂はとんでもないと首を振った。

 

 

「君がそんな風に考えてくれてるのが私は嬉しい。でもどんな君が隣りにいても私は恥だと思わない。そこは忘れないで。

それに,私が約束通りお昼に戻れていればこんな事にはならなかっただろう。申し訳ない……。」

 

 

ごめんねと抱き寄せて頭に頬をすり寄せた。

 

 

「お仕事ですからね。気にしてませんよ?」 擔心植髮手術後遺症風險?其實植髮十分安全! -

 

 

『元周公に,三津を紹介すると約束するまで帰さんと言われて戻れなかったのは言えないな……。』

 

 

そしてそのうち連れて馳せ参じると言って抜け出した。多分これから会う度にいつ会えるか聞かれるに違いない。三津はこの容姿を気にしていないがお偉いさんに会うとなれば流石に嫌がるだろう。

 

 

「本当に何から何まですまない……。」

 

 

どういう意図で言っているか分かっていない三津は,大丈夫と何度も唱えて桂の背中を上下に擦った。

 

 

「小五郎さん達が丁度いい所で現れてくれたので助かりました。ありがとうございました。」

 

 

『この話をして三津は信じてくれるかな?』

 

 

いい間合いで助けられたのには訳がある。単なる偶然でもない。

あの時,約束の時刻に帰れなくて手土産を買いに行った。前に買って喜んでもらえた物を頼んで包んでもらうのを待っていた時だった。

 

 

『三津さんの元へ急いで。』

 

 

耳元でそう囁かれた。伊藤のいたずらかと思ったが伊藤も驚いた顔で桂を見ていた。そしたら外から助けを求める声がした。

 

 

奇兵隊のお女中さんらが襲われてる

 

 

二人はすぐに店を飛び出した。奉行人を呼べ!高杉さんに知らせろ!と声が飛び交っていた。二人は全力で走って人だかりに突っ込んだ。

その中心にある光景を見て一瞬で怒りが爆発した。その怒りを全身でぶつけに行ったんだ。

 

 

「赤禰君が三津を見守ってる。稔麿に赤禰君に君には何体守護霊がいるんだろうね。常に三津と一緒だなんて羨ましい。」

 

 

「小五郎さんも死ぬまで一緒でしょ?」

 

 

何て可愛い妻なんだ。黄泉でも来世でも離しやしないよ。先鋒隊による事件から数日,セツの具合はすっかり良くなって変わらず家事に精を出していた。

三津も三津で初めは違和感だらけの髪型だったが洗うのが楽,すぐ乾くという利点を見つけて喜んでいた。

 

 

「嫁ちゃーんこれ嫁ちゃんにだってよ。」

 

 

「えー?またですか?」

 

 

セツと洗濯物を干していると山縣が風呂敷を突き出しながらやって来た。

あの一件以来,何故か三津に贈り物が届く。

贈り主はあの事件を見ていた町民達。

 

 

「髪に良いと聞いた物で。」

「お出かけの際にでも使って下さい。」

「少しでも気が安らぎますように。」

 

 

そう言って髪にいいと言う食べ物や,髪に付ける油。気兼ねなく出掛けられるように被るお手製の頭巾。落ち込んでるだろうから癒やされるようにとお香などをわざわざ屯所まで持って来てくれる。

 

 

「有り難いですけども……。」

 

 

生憎みんなが思う程落ち込んでないし寧ろ快適な頭だと思っている。だからこんなに貢がれて罪悪感でいっぱいだ。

 

 

「仕方ない,河原版でも大袈裟に扱われて悪人にも慈悲深い奥方様やって広まっちょる。」

 

 

山縣は風呂敷を三津に押し付けると俺は訓練の途中なんじゃと戻って行った。

 

 

「そのうち収まるわ。そうや木戸様が買ってくれたお菓子で一服しよ。」

 

 

「そうですね!」

 

 

男達が訓練でいない今のうちに美味しい物は食べてしまおう。セツはお茶を淹れに行き,三津は残りの洗濯物を手早く干した。

 

 

「失礼,其方が木戸の妻か?」

 

 

「はい?」

 

 

不意に声を掛けられて振り向くと町民らしき男が二人立っていた。

 

 

「うむ,この頭そうだな。禿やな。」

 

 

にっと笑って近付いて来た男は三津の頭を鷲掴みにした。

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