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debsy shinobi

「胡蝶の姿を見たあの場所で

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「胡蝶の姿を見たあの場所で

「胡蝶の姿を見たあの場所で、そなたを斬り捨てることも出来たはずなのに、上様はそれをしなかったのですよ?」

 

「それは……、目の前にあの姫君がおられた故、人を殺めるところを見せたくなかったのでございましょう」

 

「それが理由であれば、上様はそなたを地下牢に移した時点で、命を奪っていたはずじゃ。そうではありませぬか?」

 

蘭丸はいよいよ返答が出来なくなり、苦し気に押し黙った。

 

「本当にお厳しきお方ならば、人に、一日の有余など与えたりは致しませぬ」

 

御台様」

 

「上様は既に、あなたを許していたのです。負けず嫌いなお方ですから、お顔には出されませんが」

 

濃姫の言うことを、蘭丸はには信じられなかった。

 

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考えを巡らせる蘭丸の面差しに、微かな穏やかさがった。

 

「いずれにしても、上様の御意により助かったお命であることに変わりはありませぬ。

 

──ですから、蘭丸殿。どうか、胡蝶の許嫁として、あの子のことを守って下され」

 

濃姫はやや上半身を突き出すようにして、蘭丸に懇願した。

 

が、当然のように蘭丸は答えあぐねる。

 

「胡蝶のことがお嫌いですか?」

 

い、いえ 好きも嫌いもございませぬ。まだ一度しか、お顔をしたことがないのですから」

 

「ならば、好きになってくれる可能性はあるのですね?」

 

「それは……

 

それは?」

──

 

蘭丸は目を白黒させながら、く考え込むと、どこか悩ましげな面持ちながらも

 

はい」

 

と、小さく頭を垂れた。

 

その前向きな返答に、濃姫は思わず笑みを漏らす。

 

「それを聞いて、致しました。やはり姫には、愛のある、幸せな日々を送ってもらいたいですから」

 

──

 

「されど一応、胡蝶の気持ちも伺ってみなくてはのう。蘭丸殿を美しい殿方と褒めておったが、婚姻となると話は別です故」

 

濃姫がその心の内を素直に述べていると、蘭丸は不思議そうな顔をして、首をげた。

 

「そんなに、大切なことでしょうか?」

 

「え

 

「お互いの想いや、ましてや、婚姻に愛があるか否かなど、重要ではないように思いまする」

 

蘭丸は平然とそう言った。

 

何せ政略結婚が当たり前の時代である。

 

一介の臣下ですら、家同士、或いは主君の命令等で、否応なしに婚姻が決まる世の中だ。

 

ましてや信長のような貴人に仕えている蘭丸からすれば、結婚に至るまでの妙な色恋沙汰など、無用の産物のように思えた。

 

……そうですね。確かに、そなたの申す通りじゃ。愛など無くとも、にはなれまする」

 

濃姫は相手の意を一旦受け取めると

 

「されど蘭丸殿。人というのは、出会いさえあれば、誰かに恋することや、愛することの出来る生き物なのです。

 

それは民、百姓であろうと、武家や公家のいご身分の方々であろうと、皆 等しく同じなのです」

 

蘭丸をひしと見据えながら、諭すように告げた。

「けれどあの子は──胡蝶は、誰かに恋をして、心をときめかせるという、人が一度は抱くであろう感情を、だに知りませぬ。

 

このまま、限られた人とばかり接し続けるだけの暮らしでは、胡蝶は間違いなくを知らぬまま生涯を終えることになるでしょう」

 

それは親として実に忍びないことだと、濃姫はい顔で呟いた。

 

上様が、蘭丸殿をあの子の許嫁にとご指名下されたのは、まさに運命としか言い様がありませぬ」

 

──

 

「蘭丸殿。どうか胡蝶に、恋というものを教えてあげて下され」

 

……そんな。某には、左様なことはとても

 

「あなたになら出来まする。いいえ、上様に許嫁と認められた、あなたにしか出来ぬことなのです」

 

射抜くような濃姫の眼差に、思わず蘭丸は心を揺さぶられた。

 

だが、「はい」とも「いいえ」とも答えることが出来ず、蘭丸はひたすら頭を悩ませているのだった。

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